価格高騰化で下請法を知っておこう。

昨今の原材料価格やエネルギーコスト、労務費などの上昇で自社の企業努力のみではコスト増が吸収しきれないなどの問題が発生することがあるかと思います。 
そこで今回は、下請法という法律について紹介します。

下請法は下請事業の公正化を図ったり、下請事業者の利益を保護するための法律です。

基本的には親事業者側が守るべきルールが定められており、そのルールに反した場合に行政が親事業者に法的措置を行うこともある法律です。


独占禁止法との関係
下請法は独占禁止法の補完法です。補完しているのは、独占禁止法の「優越的地位の濫用行為を 取り締まる」という部分です。
独占禁止法の「優越的地位の濫用」が優越的地位を様々な要素から総合的に判断するのに対して、下請法は下請取引の発注者を資本金区分により優越的地位にあるものとして取り扱います。
そのことから、独占禁止法に比べてよりスピーディかつ効果的に機能してます。


下請法の対象となる取引
1取引の内容と2事業者の資本金の両面から定められています。

1取引の内容とは主に、1製造委託、2修理委託、3情報成果物作成委託、4役務提供委託に大別されており、その適用対象となる取引は多岐に渡ります。 

2事業者の資本金については上記1の取引内容によって区分を定めています。

下請法には、親事業者が守るべき4つの義務と7つの禁止事項が定められています。 

4つの義務
1書面の交付義務
2支払い期日を定める義務
3書類の作成・保存義務
4遅延利息の支払い義務


11の禁止事項
1受領拒否の禁止
2下請代金支払い遅延の禁止 3下請代金減額の禁止
4返品の禁止
5買いたたきの禁止
6購入・利用強制の禁止
7報復措置の禁止 
8有償支給原材料費等の対価の早期決済の禁止 
9割引困難な手形の交付の禁止 
10不当な経済上の利益の提供要請の禁止 
11不当な給付内容の変更及び不当なやり直しの禁止
   
昨今の価格高騰化の影響を受けて、例えばこのような状況になっていませんか?
状況:価格高騰化における原材料費や人件費の明らかなコスト増があり、
下請事業者側から単価 の引き上げの要求があったにも関わらず、下請事業者と十分に協議することなく単価を据え置いた。
この場合は親事業者側が「買いたたき」の禁止事項に該当しているおそれがあります。
下請代金は下請事業者の事情を十分に考慮してもらい事前に協議の上定めることが必要です。 
このような状態にある場合は、親会社側に下請法上の問題を指摘してみましょう。

親事業者と下請業者の共存共栄が重要
このように、下請法は親事業者側に義務や禁止事項のある法律ですが、たとえ下請事業者側が了解を得ていても、
また親事業所に違法性の意識がなくとも、禁止事項に触れると親事業者側が違反の対象となることがあります。
口約束での取引や、長年の慣習での取引、契約書等の発行が無い取引などには十分注意が必要です。 
下請法上のトラブルを防ぐためには親事業者側に積極的に価格交渉の場に立ってもらうように働きかけたり、密に連絡を取り合うことが重要になります。
日々の業務に追われてそこまで手が回らない、や親会社に直接指摘しにくいなどの場合は公正取引委員会や、
最寄りの商工会議所及び商工会に設置されている相談窓口である「独占禁止法相談ネットワーク」でも相談が可能です。

被災者に対して自社製品等を提供した場合の法人税法上の取扱い

今年は、台風や地震など多くの災害が起きていますね。。。被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。

被災された方に自社の製品等を無償で提供する法人もあるかと思います。この場合の自社製品等の提供は、どのような会計処理になるでしょうか?

法人税基本通達9-4-6の4(自社製品等の被災者に対する提供)では、

法人が不特定又は多数の被災者を救援するために緊急に行う自社製品等の提供に要する費用の額は、寄附金の額に該当しないものとする。

とあります。したがって、不特定又は多数の被災者を救援するため緊急に行うものである場合には、寄附金や交際費には該当せず、広告宣伝費に準ずるものとして損金の額に算入されます。

この自社製品等は、自社で製造した製品に限らず、また自社の社名が入っていない物品や他から購入した物品であっても、その企業のイメージアップにつながるなど、実質的に広告宣伝の効果を生じるようであれば、広告宣伝費に準ずるものとして損金の額に算入して差し支えありません。

外国人の社員(居住者)の配偶者控除・扶養控除について

昨今人手不足なこともあり、外国人の方を雇っているという会社も多くなっていると思います。そんな日本に住む外国人社員(居住者といいます。)が配偶者や子供などが日本に住んでおらず海外に住んでいる場合でも、日本の配偶者控除・配偶者特別控除・扶養控除・障害者控除(以下、扶養控除等)は適用になるでしょうか?

海外に住んでいる方を非居住者といいますが、もっと厳密に定義を確認すると、『国内に住所を有し、又は現在まで引き続いて1年以上の居所を有する個人以外の者』とされています。分かりにくい言い回しですが、まさに日本で働く外国人の方の親族で海外に暮らすことが日常となっている方が当てはまります。ちなみに日本人の方のお子様が1年以上の海外留学をしているような場合も当てはまってきます。

結論から先に言うと、このような非居住者でも、扶養控除等の適用を受けることができます。

では、その適用を受けるにあたって何か書類は必要になるでしょうか?

平成28年度の扶養控除等申告書から「非居住者である親族」という欄が増えました。

非居住者である親族がいる方が、所得税または住民税の扶養控除を適用する場合には、①「親族関係書類」と ②「送金関係書類」の二つを会社に提出する必要があります。

 

「親族関係書類」とは?

まず、「親族関係書類」とは、次の①又は②のいずれかの書類で、国外居住親族が居住者の親族であることを証するものをいいます。

① 戸籍の附票の写しその他の国又は地方公共団体が発行した書類及び国外居住親族の旅券(パスポート)の写し(コピーでOK)

② 外国政府又は外国の地方公共団体(以下「外国政府等」といいます。)が発行した書類(原本の提出又は提示が必要)

(国外居住親族の氏名、生年月日及び住所又は居所の記載があるものに限ります。)

例)戸籍謄本、出生証明書、婚姻証明書

外国政府等が発行した書類について、一つの書類に国外居住親族の氏名、生年月日及び住所又は居所の全てが記載されていない場合には、複数の書類を組み合わせることにより氏名、生年月日及び住所又は居所を明らかにする必要があります。

また、16 歳未満の非居住者である扶養親族(扶養控除の対象とならない扶養親族)であっても障害者控除を受ける場合には、親族関係書類及び送金関係書類の提出又は提示が必要です。さらに、16歳未満の扶養親族を有する者で、個人住民税の非課税限度額制度(人的非課税制度)の適用を受ける者も含みます。

なお、親族関係書類は、扶養控除等申告書の提出時に会社に提示する必要があるため、その年の最初に給与が支給される日までには確認が必要となります。確認が出来なかった場合は、扶養のカウントはせずに給与計算を行うことになります。

「送金関係書類」とは?

次に「送金関係書類」は、仕送りしている事実を確認できる書類です。(コピーでOK)

なお、居住者が、国外居住親族の生活費又は教育費に充てるための支払いを、その年に同一の国外居住の親族に3回以上行った場合の送金関係書類の提出又は提示については、その年の全ての送金関係書類の提出又は提示に代えて、次に掲げる①~⑤の事項を記載した明細書の提出及び各国外居住の親族のその年の最初と最後の支払いに係る送金関係書類の提出又は提示として差し支えないこととされています。(所得税基本通達120-9)

1居住者の氏名及び住所

2 支払を受けた国外居住親族の氏名

3 支払日

4 支払方法

5 支払額

 

「親族関係書類」、「送金関係書類」のいずれについても日本語への翻訳文が必要な点は注意が必要です。誰が翻訳するかの制限はありません。

民泊で生じた所得の申告について

訪日外国人観光客が増加していますが、そんな中、宿泊施設の不足を補うために民泊が急増しています。一定のルールを定めて、健全なサービスの普及を図るために住宅宿泊事業法(民泊新法)が平成30年6月15日に施行されました。

この民泊新法では、旅館業法で禁止する住宅専門地域での宿泊サービスを認可する一方で、1年間の営業日数を180日までと定めています。

民泊新法では、3種類の事業者を定めています。それぞれの事業者について、届出や登録を義務付けて、これらの事業者が適正な業務を運営することによって、観光客の多様な宿泊ニーズに的確に対応し、観光客の来訪・滞在を促進することが期待されています。

1.住宅宿泊事業者

(役割)

民泊サービスを営む者(物件のオーナー)

(義務の内容)

・宿泊者の衛生や安全管理

・宿泊者名簿の備付け

・騒音の防止・ごみ処理等に関する説明

・苦情等への対応等

・市町村に則したガイドラインに基づいた適用をすること

(届出及び申請先)

都道府県知事等

2.住宅宿泊管理業者

(役割)

住宅宿泊事業者の委託に基づき、住宅の維持保全に関する業務を行う者(民泊運営代行会社)

(義務の内容)

・業務処理の原則・公正誠実義務

・再委託の禁止

・住宅宿泊事業者への定期報告

(届出及び申請先)

国土交通大臣

3.住宅宿泊仲介業者

(役割)

宿泊者と住宅宿泊事業者との間の宿泊契約の締結の仲介事業を行う者(民泊仲介サイト)

(義務の内容)

・業務処理の原則・公正誠実義務

・名義貸し・不当な勧誘等・あっせん等の禁止

・住宅民泊仲介業約款の作成及び届出

・住宅宿泊仲介業務に関する料金の公示等

(届出及び申請先)

観光庁長官

 

民泊によって生じた所得の課税関係

民泊は一般の家庭が主体となることが想定されます。では、一般の家庭が民泊を行って得た所得の申告はどうすればいいのでしょうか?

民泊によって得た所得は、原則として雑所得になります。ただし、専ら民泊によって生じる所得によって生計を立てている場合など、民泊が所得税法上の事業として行われることが明らかな場合には事業所得となります。

必要経費にできるものとしては、民泊を行うために支払う仲介手数料などとなり、水道光熱費や固定資産税など事業用とプライベートの部分の費用の両方が含まれている場合には、例えば民泊に利用している部分の床面積の総床面積に占める割合実際に宿泊客を宿泊させた日数をもとに案分するなど、業務の内容や資産の利用状況などを総合的に勘案して判断することになります。

 

住宅借入金等特別控除との関係

居住している自宅を利用して民泊を行う場合、床面積の2分の1以上に相当する部分を専ら自己の居住の用に供しているなどの要件を満たせば、住宅借入金等特別控除の適用を受けることができます。

 

居住用財産の3,000万円の特別控除の適用関係

居住用家屋を利用して民泊を行っていて、この家屋を譲渡した場合には、居住用に供している部分に限って、居住用財産の3,000万円の特別控除の適用対象となります。

 

消費税について

民泊で宿泊者から受け取る宿泊料は、ホテルや旅館などと同様に消費税の課税対象となります。当課税期間の基準期間(2年前)における課税売上高が1,000万円以下の場合には、当課税期間は免税事業者に該当するため、消費税の申告・納税義務はありません。

 

民泊による所得もきちんと申告するようにしてください。

土地の賃貸借契約に係る印紙税

建物の賃貸借契約をする場合、建物だけ利用するということは考えにくく、その敷地である土地も併せて賃貸借すると考えられますが、この場合の建物の賃貸借契約書については印紙税の課税文書ではないため、印紙は不要となっています。

では、土地そのものの賃貸借契約の場合、印紙税はどうなるのでしょうか?

土地そのものの賃貸借契約の場合、印紙税の課税文書に該当してきます。土地そのものの賃貸借契約なので、駐車場やビニールハウスなどは施設の利用に該当し建物の賃貸借契約書と同様に印紙は不要となっています。

 

土地そのものの賃貸借契約は印紙税の課税文書に該当するわけですが、いくらの印紙を貼ればいいのでしょうか?

土地の賃貸借契約書は、印紙税額の一覧表の第1号の2文書(地上権又は土地の賃借権の設定又は譲渡に関する契約書)に該当してきます。印紙税の金額を判定する場合の「記載された契約金額」は、土地の賃貸料は含まれず、権利金その他名称を問わず後日返還されないものをいうので、後日返還される予定の保証金や敷金は記載金額には含まれません。

したがって、賃貸料と後日返還予定の敷金のみの記載しかない土地の賃貸借契約書は、「契約金額の記載のないもの」に該当し印紙税は200円になります。

軽減税率制度が実施されたらどんなレシートならOK?

平成31年(2019年)10月から軽減税率制度が実施されます。

軽減税率が実施された場合、どんなレシートであれば消費税法の記載事項を満たすのでしょうか?

平成31年(2019年)9月30日までの記載事項は、

1.請求書発行者の氏名

2.取引年月日

3.取引の内容

4.対価の額

5.請求書受領者の氏名又は名称

(小売業者は5の記載は必要なし)

となっています。

平成31年(2019年)10月1日から平成35年(2023年)9月30日までは上記の記載事項に加えて、下記の項目が追加されています。

6.軽減税率の対象品目である旨

7.税率ごとに合計した税込対価の額

 

では、具体的に見ていきましょう。

例えば八百屋さんだとします。ちょっとした雑貨も売っているお店です。下記の〈図1〉のようなレシートだったらどうでしょうか?

〈図1〉

野菜に①※印があり、②で軽減税率が適用される旨の記載があります。③で税率ごとの合計した税込対価の額が記載されています。ただ「野菜」と大きな括りでの記載となっており、個別の商品名の記載はありません。

レジによっては多数の商品を登録できないものがあるかと思います。そのため、その店舗が取り扱っている一般的な総称の記載であっても、取引された商品が消費税が課税されるもので、軽減税率の対象となるものとそれ以外のものであることが、レシートの交付を受けた人が把握できるのであれば、要件を満たすレシートということになります。

つまり、上記〈図1〉は、要件を満たす領収証です。

 

では、下記の〈図2〉の精肉店のレシートはどうでしょうか?

〈図2〉

こちらのレシートは、部門01などの記載であるため、取引の内容が不明です。精肉店の場合は「肉」や「食品」など記載であれば取引された商品の内容がわかりますが、部門という記載では、消費税法の記載事項を満たしていないことになるのでご注意ください。

軽減税率制度(複数税率)への対応が必要となる中小企業・小規模事業者等の方には、複数税率対応レジの導入や、受発注システムの改修等を行う際に、その経費の一部を補助する「軽減税率対策補助金」の制度がありますので、そちらもご検討ください。

居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例

自分が住んでいたマイホーム(居住用財産)を売って、一定の要件に該当する場合には、長期譲渡所得の税額を通常の場合よりも低い税率で計算する軽減税率の特例を受けることができます。

 

特例を受けるための適用要件

(1)譲渡資産

・日本国内にある自分が住んでいる家屋であること

・家屋または家屋とともにその敷地を譲渡していること

・住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに譲渡していること

・譲渡した年の1月1日において家屋およびその敷地の所有期間がともに10年を超えていること

 

(2)買受人

親子や夫婦など特別の関係がある人でないこと。
特別の関係には、このほか生計を一にする親族、家屋を売った後その売った家屋で同居する親族、内縁関係にある人、特殊な関係のある法人なども含まれます。

 

(3)他の特例との関係

・売った年の前年及び前々年にこの特例を受けていないこと。

・売った家屋や敷地についてマイホームの買換えや交換の特例など他の特例を受けていないこと。

※マイホームを売ったときの3,000万円の特別控除の特例と軽減税率の特例は、重ねて受けることができます。

 

税率

課税長期譲渡所得金額(=A) 税額
6,000万円以下 A×10%
6,000万円超 (A-6,000万円)×15%+600万円

1.課税長期譲渡所得(=A)とは、次の算式で求めた金額です。

A=(土地建物を売った収入金額)-(取得費+譲渡費用)-特別控除

2.平成25年から平成49年までは、復興特別所得税として各年分の基準所得税額の2.1%を所得税と併せて申告・納付することになります。

 

適用を受けるための手続き

この特例を受けるためには、下記の書類を添えて確定申告をすることが必要です。
なお、マイホームの売買契約日の前日においてそのマイホームを売った人の住民票に記載されていた住所とそのマイホームの所在地とが異なる場合などには、戸籍の附票の写し、消除された戸籍の附票の写しその他これらに類する書類でそのマイホームを売った人がそのマイホームを居住の用に供していたことを明らかにするものを、併せて提出してください。

(1)譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)〔土地・建物用〕

(2)売った居住用家屋やその敷地の登記事項証明書

 

なお、土地・建物の登記事項証明書の請求については、登記所の窓口での請求、郵送による請求のだけでなく、パソコンからインターネットを利用してオンラインによる請求を行うことができます。オンラインによる請求は、手数料が安く、平日は21時まで可能となっています。

詳しくは、法務局ホームページをご覧ください。

居住用財産を譲渡した場合の特別控除の特例【3000万円の特別控除】

マイホーム(居住用財産)を売却したとき、一定の要件に該当する場合には、所有期間の長短に関係なく譲渡益から最高3000万円を限度として控除できる特例があります。

 

特例を受けるための適用要件

(1)譲渡資産

・自分が住んでいる家屋であること

・家屋または家屋とともにその敷地を譲渡していること

・住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに譲渡していること

・住んでいた家屋または済まなくなった家屋を取り壊した場合は、次の2つの要件全てに当てはまることが必要です。

イ.その敷地の譲渡契約が、家屋を取り壊した日から1年以内に締結され、かつ、住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売ること。

ロ.家屋を取り壊してから譲渡契約を締結した日まで、その敷地を貸駐車場などその他の用に供していないこと。

(2)買受人

買受人が、親子や夫婦などの特別な関係者でないこと。

特別な関係には、このほか生計を一にする親族、家屋を売った後その売った家屋で同居する親族、内縁関係にある人、特殊な関係のある法人なども含まれます。

(3)他の特例との関係

・売った年の前年および前々年にこの特例を受けていないこと(「被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例」によりこの特例の適用を受けている場合を除きます。)

・マイホームの買換えやマイホームの交換の特例若しくは、マイホームの譲渡損失についての損益通算及び繰越控除の特例の適用を受けていないこと。

・売った家屋や敷地について、収用等の場合の特別控除など他の特例の適用を受けていないこと。

・災害によって滅失した家屋の場合は、その敷地を住まなくなった日から3年目の年の12月31日まで(注)に売ること。

(注)東日本大震災により滅失した家屋の場合は、災害があった日から7年を経過する日の属する年の12月31日までとなります。

※居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例は、重ねて受けることができます。

 

適用されない家屋

このマイホームを売った時の特例は、次のような家屋には適用されません。

(1)この特例を受けることだけを目的として入居したと認められる家屋

(2)居住用家屋を新築する期間中だけ仮住まいとして使った家屋、その他一時的な目的で入居したと認められる家屋

(3)別荘などのように主として趣味、娯楽又は保養のために所有する家屋

 

適用を受けるための手続き

この特例を受けるためには、次の書類を添えて確定申告をする必要があります。

 

・譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)[土地・建物用]

・マイホームの売買契約日の前日においてそのマイホームを売った人の住民票に記載されていた住所とそのマイホームの所在地とが異なる場合などには、戸籍の附票の写しその他これらに類する書類でそのマイホームを売った人がそのマイホームを居住の用に供していたことを明らかにする書類

なお、土地・建物の登記事項証明書の請求については、登記所の窓口での請求、郵送による請求のだけでなく、パソコンからインターネットを利用してオンラインによる請求を行うことができます。オンラインによる請求は、手数料が安く、平日は21時まで可能となっています。

詳しくは、法務局ホームページをご覧ください。

住民税の申告が必要な場合

所得税の確定申告は、馴染みのある方が多いと思います。申告先は「税務署」になります。

住民税は地方税になるので、申告先は「市町村役場」となります。

一つの会社からの給与収入しかない方が会社で年末調整をした場合については、勤務先が給与支払報告書を市町村役場に提出しているため住民税の申告は不要となります。また、所得税の確定申告をした場合については、税務署が市町村に申告内容を通知してくれるので、市町村はそれをもとに住民税を計算するため住民税の申告は不要です。

 

では、住民税の申告が必要なのは、どういう場合なのでしょうか?

確定申告をしていない方でも、次のような方は住民税の申告が必要となります。

 

・年末調整はしたけれど、給与所得以外の所得が20万円以下であり、確定申告をしていない方

給与所得が一つの勤務先のみでその勤務先で年末調整をした方は、住宅借入金等特別控除や医療費控除などがなければ確定申告は必要ありませんが、給与所得以外に副業で20万円超ある場合は確定申告が必要となります。20万円以下であれば所得税の確定申告は必要ありませんが、この場合でも住民税の申告は必要となります。

 

 

・退職などなんらかの理由で年末調整をしていない給与所得者

退職の時期によって、退職後に自分で支払った社会保険料などは、発行された源泉徴収票では考慮されていないため、住民税も本来は受けられる所得控除が反映されていない金額になっています。このような場合は申告をすることで、所得控除もきちんと適用された適正な税額で計算され、税金の還付を受けることができる場合もあります。

 

 

・400万円以下の公的年金収入のみで、確定申告をしていない方

400万円以下の公的年金収入のみの方は、確定申告は不要となっています。また、公的年金収入が400万円以下で、その他の所得が20万円以下の場合も確定申告は不要となっています。しかし、このように所得税の確定申告が不要の場合でも住民税の申告は必要な場合があります。

〈大阪市の場合の住民税申告の要否フローチャート〉

http://www.city.osaka.lg.jp/zaisei/cmsfiles/contents/0000370/370617/161025nenkin-flow.pdf

 

 

・配偶者控除を受けるために年間103万円以下に給与収入をおさえている方で、年間100万円超の給与収入がある方

所得税の配偶者控除を受けるために、給与収入を103万円以下におさえているという方が多いと思いますが、多くの市町村では住民税は給与収入が100万円を超えるとかかってきますので、住民税の申告が必要となります。

 

上記に該当する場合には、確定申告は必要ない方でも住民税の申告は必要な場合がございますのでご注意ください。

 

住民税の申告が必要なくても申告しておいたほうがいい場合

住民税の申告をする必要がなくても申告しておいた方がいい場合もあります。

無職で収入がない場合などは所得税の確定申告も住民税の申告も必要ないわけですが、「非課税証明書」の提出を求められ場合があります。住民税の申告が必要なくても、申告をしておくことによって市町村役場で住民税の「非課税証明書」をもらうことができます。

「非課税証明書」は、公営住宅の入居、奨学金の申請、保育所の入所などの場合に提出を求められることがあります。

また、国民健康保険料の減額や免除の申請をする場合や児童手当の手続きなどで「非課税証明書」が必要な方は、住民税申告が必要になります。市町村によって必要書類は異なりますので、ご確認ください。

 

住民税の申告方法

 

所得税の確定申告と同じ翌年の2月16日~3月15日までに、お住いの市町村役場で住民税の申告をすることになります。

申告に必要な書類をそろえて窓口に持参するか、もしくは郵送にて手続きを行います。

〈必要書類〉

住民税の申告に必要な書類は、基本的には以下の書類となりますが、詳細はお住いの市町村役場ホームページなどで確認してみてください。

  • 住民税申告書(窓口もしくはインターネットからダウンロード)
  • 印鑑
  • 本人確認書類
    ・身元確認書類・・・マイナンバーカード、運転免許証、パスポート等
    ・番号確認書類・・・マイナンバーカード、マイナンバー通知カード、マイナンバーが記載された住民票等
  • 前年中の所得金額の計算に必要な収入や必要経費などがわかる書類
    ・公的年金等の源泉徴収票(コピー可)
    ・給与所得の源泉徴収票(コピー可) ※源泉徴収票がない場合は、給与明細、支払証明書など
    ・その他、所得金額の計算に必要な収入金額および必要経費がわかる書類など
  • 各種控除を受けるために必要な書類

YouTuber(ユーチューバー)の確定申告〜確定申告は必要なのか?〜

今なにかと話題のYouTuberの方たち。

我が息子も毎日のようにYouTuberの方たちの動画を見ております。そんな息子に教えられ、わたしも有名なYouTuberの方たちのお名前は存じ上げています。はじめしゃちょーさん、ヒカキンさん、セイキンさん、ヒカルさん、我が息子一押しのフィッシャーズさんetc

 

そんなYouTuberの方たちは、確定申告は必要なのでしょうか?

 

有名なYouTuberの方たちは、再生回数何万回どころか何億回!?ということで確定申告が必要なのはわかると思いますが、ちょっとだけ稼いでいるというYouTuberの方たちはどうでしょうか?

そもそも、一般的にYouTube一再生あたり0.1円の収入と言われていて、それよりも低い場合も多々あるようで、YouTubeで稼ごうと思ったら相当な再生回数が必要になってきます。

 

息子曰く、「同じクラスのあいつもYouTuberやねん」ということで、我が息子は中学生ですが小学生でもYouTuber現在進行形の子はいると思います。そんな確定申告とは無縁の世界にいそうな子たち、ちょっとだけ稼いでいる方たちも確定申告をする必要があるのでしょうか?

 

確定申告をしなければいけない人たちは、ざっくりいうと

  • 給与の年間収入金額が2,000万円を超える方
  • サラリーマンなどで給与収入があり、それ以外の所得の合計額が20万円超の方
  • 専業主婦など他に収入がない場合で、所得が38万円超の方

 

のような方達です。

 

ところで、所得って何?収入と違うの?と疑問をもたれるかもしれません。

 

所得と収入は違います。

 

収入から必要経費を引いたものが所得ということになります。

 

所得=収入ー必要経費

 

中学生・小学生など学生、専業主婦などで給与などの収入がない方は、所得が38万円を超えていれば確定申告が必要になります。また、サラリーマンの方が片手間で稼いでいる場合は、20万円を超えると確定申告が必要になります。

 

ところで、必要経費って何?どんな経費が必要経費にできるの?必要経費になるの?という疑問をもたれるかもしれません。

これが、とても奥が深いです。

YouTuberの方達は色々な経費を使っています。特に有名な方達の経費の使い方は桁違いでびっくりします。このびっくりするくらい桁違いの経費は全部必要経費にできるのか?非常に興味深いです。

 

YouTuberの必要経費については、次回以降に譲りたいと思います。