飲食店などでは、留学生をアルバイトとして雇用することもあると思いますが、そのような留学生に支払う給料の源泉徴収はどうしたらよいでしょうか?
このような場合は、まず在留資格・在学証明により居住者なのか非居住者なのかを確認する必要があります。
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居住者の場合⇨「給与所得の源泉徴収税額表」に基づいて通常の場合と同様の源泉徴収
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非居住者の場合⇨一律20.42%の源泉徴収
また、留学生の母国との間で締結されている租税条約によって、源泉徴収が免除される場合もあるので、租税条約の締結の有無を確認する必要があります。
◆居住者と非居住者の判定の仕方
予定滞在期間が1年以上の場合
- 実際の滞在期間1年以上・・・居住者
- 実際の滞在期間1年未満・・・帰国時まで居住者
予定滞在期間が1年未満の場合
- 実際の滞在期間1年未満・・・非居住者
- 実際の滞在期間1年以上・・・1年以上滞在が明らかとなる時まで非居住者、以後は居住者
◆租税条約の有無の確認
日本との間で租税条約が締結されている国の留学生の場合は、租税条約が優先されます。
(1) 中国から来日した留学生
専ら教育を受けるために日本国内に滞在する学生で、現に中国の居住者である者又はその滞在の直前に中国の居住者であった者が、その生計、教育のために受け取る給付又は所得は、免税とされます(日中租税協定第21条)。
したがって、中国から来日した大学生の日本での生活費や学費に充てる程度のアルバイト代であれば、免税とされます。
この場合について、源泉徴収の段階で免税措置を受けるためには、「租税条約に関する届出書」を作成し、学校の発行する在学証明書等を添付して給与支払者を通じて、その給与支払者の所轄税務署長に提出する必要があります(租税条約等実施特例省令第8条)。なお、税務署への提出期限は、入国の日以後最初の給与を支払う前日までとなります。
(2) インドから来日した留学生
専ら教育を受けるために日本国内に滞在する学生で、現にインドの居住者である者又はその滞在の直前にインドの居住者であった者が、その生計、教育のために受け取る給付は、免税とされます。ただし、日本の国外から支払われるものに限られます(日印租税条約第20条)。
したがって、インドから来た大学生が受け取る日本でのアルバイトによる所得は、国外から支払われるものではありませんので、免税とされません。この場合、その給与等については、その大学生が居住者か非居住者かの判定を行った上、それぞれの区分に応じた源泉徴収を行うこととなります。
※ベトナムから来日した留学生もインドから来日した留学生と同様の租税条約が締結されています(日越租税協定第20条)。
※「専ら教育を受けるために日本国内に滞在する学生」とは、学校教育法第1条に規定する学校(高等学校・大学・大学院等)に通う学生でなければならないため、日本語学校・専門学校などに通う学生の場合は租税条約の適用を受けないので注意が必要です。
日本が締結した租税条約の学生条項は、免税とされる給付の範囲等が国によって様々なので、租税条約の適用に当たっては、各国との租税条約の内容を確認するようにしてください。