「高年齢者無期雇用転換コース」、字面だけ見ると65歳くらいの高年齢者のお話しなのかな?といった印象を受けますが、この助成金は50歳以上かつ定年年齢未満(65歳を超える定年は65歳まで)の有期契約労働者(パートタイマー・アルバイト等)を無期雇用に転換させた事業主に対して助成を行うコースとなっています。
例えば、定年が60歳の会社であれば、50歳以上60歳未満の有期雇用労働者を6か月以上雇用すればこの助成金の対象となります。
主な支給要件
(1)雇用保険適用事業主の事業主であること
(2)「無期雇用転換契約書」を独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構理事業に提出し、計画内容について認定を受けていること。
(3)有期契約労働者を無期雇用労働者に転換する制度を労働協約または就業規則その他これに準ずるものに規定していること。
(4)高年齢者雇用推進者の選任および次のa~gまでの高年齢者雇用管理に関する措置を1つ以上実施している事業主であること
a.職業能力の開発および向上のための教育訓練の実施等
b.作業施設・方法の改善
c.健康管理、安全衛生の配慮
d.職域の拡大
e.知識、経験等を活用できる配置、処遇の改善
f.賃金体系の見直し
g.勤務時間制度の弾力化
(5)上記(3)の制度の規定に基づき、雇用する50歳以上かつ定年年齢未満の有期契約労働者を無期雇用労働者に転換すること。
(6)上記(3)により転換された労働者を、転換後6か月以上の期間継続して雇用し、当該労働者に対して転換後6か月分の賃金を支給すること。
※通常勤務した日数が11日未満の月は除きます。
(7)無期雇用転換契約書提出日から起算して1年前の日から支給申請日の前日までの間に、高年齢者雇用安定法第8条または第9条第1項の規定に違反していないこと。
(8)支給申請日において当該制度を継続して運用している事業主であること
(9)無期雇用労働者に転換した日以降の期間にいて、当該労働者を雇用保険被保険者として適用させている事業主であること。
※有期契約社員の期間は、週の所定労働時間が20時間未満のため雇用保険に加入していなかったパートタイマー等もこの助成金の対象となりますが、無期契約社員に転換後は週20時間以上の勤務、つまり雇用保険の加入が必須となります。
(10)転換した無期雇用労働者を65歳以上まで雇用する見込みがある事業主であること
対象となる労働者
■支給対象事業主に雇用される期間が転換日において通算して6か月以上で50歳以上かつ定年年齢未満の有期労働契約者であること
■次のいずれにも該当する者であること
- 労働契約法第18条に基づき、労働者からの申込みにより無期雇用労働者に転換した者でない
- 無期雇用労働者として雇用することを約して雇い入れられた有期労働契約者でない
- 当該転換日の前日から過去3年以内に、当該事業主の事業所において無期雇用労働者のとして雇用されたことがない
- 支給申請日において離職(本人の都合による離職等を除く。)していない
支給額
労働者一人につき下記の金額を支給します。支給申請年度1適用事業所当たり10人までとします。
中小企業・・・48万円〈生産性要件を満たした場合60万円〉
中小企業以外・・・38万円〈生産要件を満たした場合48万円〉
申請手続き
この助成金の申請は、「独立行政法人高齢・障害・求職者雇用開発支援機構」にする必要がります。
(1)無期雇用転換制度の整備、高年齢者雇用管理に関する措置を実施
(2)「無期雇用転換計画」を作成し、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用開発支援機構に提出し、認定を受けます。
(3)無期転換を実施
(4)転換後6か月の賃金を支給
(5)支給申請
詳しくは、下記のリーフレットをご覧ください。
http://www.jeed.or.jp/elderly/subsidy/q2k4vk000000thkf-att/q2k4vk000000thph.pdf
受給のポイント
有期契約から無期契約への転換となるので、正社員にする必要はありません。パートタイマー労働者を労働条件を有期契約から無期契約に変えるだけなので、比較的手軽にできる助成金の一つとです。また、無期契約労働者になった場合でも、所定労働時間が30時間未満であれば社会保険に加入する必要もありません。
平成25年4月1日以降開始した有期労働契約の通算契約年数が5年を超える場合は、平成30年4月1日以降に労働者が無期転換の申し込みをすることにより、期間の定めのない労働契約に転換されます。それに伴って有期契約労働者を無期転換して対応する予定の方も、ぜひ検討してみてください。
独立行政法人高齢・障害・求職者雇用開発支援機構(大阪)
〒566-0022
摂津市三島1-2-1関西職業能力開発促進センター内
TEL:06-7664-0722