平成29年度両立支援等助成金「出生時両立支援助成金」

仕事と家庭の両立支援を目的とした助成金として「両立支援等助成金」というのがあります。

まず、従業員の職業生活と家庭生活の両立を支援するための取組を実施した事業主等に対して支給する両立支援等助成金として、現在使えるものとしては下記の4種類があります。

 

①出生時両立支援コース

②介護離職防止支援コース

③育児休業等支援コース

④再雇用者評価処遇コース

 

ここでは、比較的使いやすい「出生時両立支援助成金」について説明していきたいと思います。

この「出生時両立支援助成金」は、男性が育児休業を取得しやすい職場風土づくりの取組みを行って、男性に一定期間の連続した育児休業を取得させた事業主に支給するというものです。

 

事業主の要件

 

(1)男性が育児休業を取得しやすい職場風土づくりのために以下のような取組みを行うこと。

★男性の育児休業取得(1人目)に、次のような取り組みのうちいずれかの実施を行っていること。

・男性労働者に対する育児休業制度の利用促進のための資料等の周知

・子が産まれた男性労働者への管理職による育児休業取得勧奨

・男性の育児休業取得についての管理職向けの研修の実施

(2)男性が子の出生後8週間以内に開始する連続14日以上(中小企業は連続5日以上)の育児休業を取得すること。

(3)育児・介護休業法第2条第1項に規定する育児休業の制度及び育児のための短時間勤務制度について、労働協約または就業規則に規定していること。

(4)次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を策定し、その旨を都道府県労働局長に届け出ている。また、その一般事業主行動計画を公表し、労働者に周知するための措置を講じていること。

※一般事業主行動計画とは、次世代育成支援対策推進法に基づき、企業が従業員の仕事と子育ての両立を図るための雇用環境の整備や、子育てをしていない従業員も含めた多様な労働条件の整備などに取り組むに当たって、(1)計画期間、(2)目標、(3)目標達成のための対策及びその実施時期を定めるものです。
従業員101人以上の企業には、行動計画の策定・届出、公表・周知が義務付けられています。

下記厚生労働省のサイトにモデル規定も掲載されています。

http://www.mhlw.go.jp/general/seido/koyou/jisedai/

 

《注意点》

・過去3年以内に男性の育児休業取得者(連続14日以上、中小企業は連続5日以上)がいる企業は対象外です。

・支給対象は1年度につき1人までです。

 

支給額

 

(1)最初に支給決定を受ける事業主(対象労働者1人目)

中小企業事業主  57万円72万円〉

中小企業事業主以外の事業主  28.5万円〈36万円〉

(2)(1)の翌年度以降に育児休業取得者が生じた事業主(対象労働者2人目以降)

14.25万円〈18万円〉

※〈 〉は、生産性要件を満たした場合の金額

 

この連続5日以上というのは、土日・祝日・会社の休業日を含む5日間でOKですが、最低1日は出勤日である必要があるので、休業期間の全てが休日、祝日などの場合は対象になりません。つまり、労働者から申し出のあった育児休業期間中に所定労働日が含まれていることが必要です。

 

中小企業の場合、土日・祝日・年末年始などの会社の休業日も含めての連続5日以上でOKなので、育メンパパにも長く働いてもらいたい、育メンパパを推奨したいと思われている企業の方は、「出生時両立支援助成金」を検討してみてください。