成年年齢引き下げに伴う税制関係への影響

我が家の末っ子がもうすぐ18歳になる大阪の税理士・社会保険労務士・行政書士の阿部ミチルです。

成年年齢が20歳から18歳に引き下げられ、選挙の投票権も18歳からとなりました。うちの末っ子は今年の選挙の時はまだ17歳だったので選挙権はありませんでしたが、同級生には選挙権がある子もいて、同じ学年で選挙権の有る無しが分かれるのって微妙ですね。

さて、成年年齢が引き下げられたことによる税制関係の影響は、主に以下のものが考えられます。

(1)相続税の未成年者控除

   20歳から18歳に引き下げ

   ただし、令和4年4月1日以後の相続または遺贈に適用されます。

(2)相続時精算課税制度

   20歳から18歳に引き下げ(1月1日時点の年齢で判断)

   ただし、令和4年4月1日以後の贈与に適用されます。

(3)直系尊属から贈与を受けた場合の贈与税の税率の特例

   20歳から18歳に引き下げ(1月1日時点の年齢で判断)

   ただし、令和4年4月1日以後の信託受益権または金銭等の取得について適用されます。

   そのため、令和4年3月31日以前の贈与の場合は20歳以上、4月1日以後であれば18歳以上。

(4)住宅取得資金の贈与の特例

   令和4年3月31日以前の贈与:20歳(1月1日時点の年齢で判断)

   令和4年4月1日以後の贈与:18歳(1月1日時点の年齢で判断)

そのほかの影響は、以下のようなものが考えられます。

(1)相続時の遺産分割協議での特別代理人選任制度

   20歳から18歳へ引き下げ(1月1日時点の年齢で判断)

   ただし、令和4年4月1日以後の相続に適用されます。

(2)養子縁組の養親の年齢

   従前どおり、養親は20歳以上でなければなることができない。

   以前は、「成年者」となっていたところが「20歳以上」となり、年齢が明確化されました。

相続が起きるタイミングは選べないので、4月1日以後なのかそれ以前なのかで令和4年については注意が必要です。贈与に関しては計画的にできるので、1月1日時点というタイミングが加わってくる点にもご注意ください。