普段あまりドラマは見ないのですが、日本テレビ系金曜ロードショー特別企画ドラマ『北風と太陽の法廷』がとてもおもしろそうだったので見ていました。
「やるからには勝つ」がモットーで離婚裁判の勝率は10割、冷徹で容赦なく相手を叩きのめす“北風”のような弁護士と、どんなドロドロな案件も和解に持ち込む無冠の仲裁弁護士で、温かく癒し系で相手の心をほどいていく“太陽”のような弁護士が、離婚裁判で対決するドラマです。
北風役の弁護士は、厳しく冷徹ですが、決して依頼者やその周りの人たちが不幸になることを望んでいるわけではなく、きちんと最良の方向を考えいるという内容でした。つまり「やるからには勝つ」といっても勝てばいいと考えているのではないのです。
これは、税理士業務とりわけ相続業務にも当てはまると思いました。
税理士業務で揉めるものというと相続になるかと思います。実際、相続は争続と言われるくらい、揉めることが多いです。
相続税のことばかりを考えて相続対策をしていると、最終的に揉めてしまいます。
相続というのは相続人と他の相続人たちとの感情が絡み合います。そして、相続人は複数であることがほとんどなので、離婚のように1対1ではない場合も多くあります。相続人が多ければ多いほど、複数の人たちの感情が絡み合ってきます。
依頼者の相続人のことばかりを考えて相続対策をしても、他の相続人にとっては良くない対策になっているかもしれません。
わたしは、相続税をなるべく抑えることも大事なことだとは思いますが、それよりも優先すべきなのは揉めない相続対策だと考えています。税理士の立場から相続対策を行うと、どうしても相続は相続税の対策として重きを置きがちですが、最終的に相続人の皆さんがよかったと思えるような相続対策を提供できるよう心がけています。
『北風と太陽の法廷』は離婚裁判のドラマですがとてもお薦めなので、今回見逃した方は再放送などの機会があればご覧になってみてください。