「こども保険」について思うこと

大学生が2人、高校生が1人となる3年後と4年後が恐ろしいと思っている大阪八尾の税理士・社会保険労務士の阿部ミチルです。

我が家の3年後の子どもたち3人の予定は、順調にいけば大学4年生、大学1年生、高校1年生となります。

 

今思えば子どもが小さい頃は、所得が低くてもそんなにお金はかかっていなかったように思います。そのときはそのときで、大変とは思っていましたが、今に比べたらそこまでかかる金額は多くなかったです。子どもたちが大きくなるにつれて、特に中学、高校に進学していくとお金が必要になってきます。塾代だけではなく、部活をやっていれば部活にもお金が必要だったり、女の子は特におしゃれに敏感なので洋服代もそれなりにかかったり。

高校になると児童手当がなくなります(大阪市の場合)が、高校に進んでからのほうがよっぽどお金がかかるのになあと思ったりします。

 

「こども保険」の検討が進んでいるようですが、これ以上社会保険料の負担が増えるというのは、どうなのでしょう?

現段階では、勤労者、事業主とも0.1%の負担を求めるということで検討しているようですが・・・

・現状でも企業の社会保険料負担は相当重いものになっています。

・国民年金保険料の納付率もなかなか上がらない状況です。

・賃金も上がっていないと言われています。

 

そこに社会保険料の負担が増えるというのは、企業の負担がさらに増える、賃金が上がらなければ手取りが減ることになってきます。

社会保障が高齢者優遇に偏っているという声が強いということで、教育無償化で若者にも還元ということのようですが、そのこども保険を結局は若者も含めた現役世代から徴収するというのも矛盾しているような気がします。悪循環に陥らないのかという不安があります。

 

そもそも本当に教育の無償化は必要なのか?とさえ思えてきます。

 

租税法の基本原則に「租税平等主義(または租税公平主義)」というものがあります。

憲法14条1項では「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」と規定しています。

このことからも租税負担は公平でなければならないというのは異論がないところだと思います。では、何をもって公平と言うのか?

・水平的公平負担の原則

同一の担税力を持つ者は、同一の税負担をするのが公平であるとする考え方です。

・垂直的公平負担の原則

高い所得の人ほど高い税負担を負うのが公平であるという考え方で、所得に応じた税負担を求める考え方です。累進課税はこの垂直的公平負担の原則を達成するための手段となっています。

 

公平、平等と言っても国民全員にとって公平・平等な税制というのは、とても難しい問題です。

 

社会保障についても何をもって公平なのか、とても難しい問題だと思います。こども保険が制度化されるとしても、不公平感は極力解消されなければいけません。

 

今後どうなっていくのか目が離せないところです。